マイコプラズマ感染症

2012-05-27

マイコプラズマ感染症とは?

肺炎マイコプラズマ(Mycoplasma pneumoniae)というウイルスと細菌の間に位置する微生物が原因となって多彩な症状を呈します。飛沫感染(咳やクシャミなど)しますが、感染力はそれほど強くなく、家族や同一学級などの密接な環境下で伝播します。潜伏期間は1-3週程度と考えられています。

症状

発熱、咳、頭痛、倦怠感などが主症状です。病初期には乾いた咳ですが、次第に湿った痰のからむ咳にかわり、夜間にひどくなる頑固な咳が長く続きます。熱が下がらない場合は肺炎を起こすことがあり、マイコプラズマ肺炎と呼びます。気管支喘息の発作を誘発して、胸がゼイゼイすることがあります。

診断

血液検査;白血球は正常範囲あるいは少し増加 CRP(炎症反応)は陽性
胸部レントゲン;マイコプラズマ肺炎を起こした場合は、スリガラス状の陰影を生じます。一側性のことが多く、40%は右下肺野に陰影を認めます。

治療

肺炎マイコプラズマは細胞壁をもたないので、通常のペニシリン系、セフェム系の抗生剤は無効です。マクロライド系(クラリス、エリスロシン、ジスロマックなど)抗生物質が有効です。最近マクロライド系抗生物質に耐性のマイコプラズマ肺炎が多くみられ、ミノマイシンが有効ですが副作用の点で8歳以上しか使用できません。

合併症

3~4%に中枢神経症状(髄膜炎、脳炎)、8~15%に消化器症状(下痢、嘔吐、食欲不振、肝機能異常)、3~30%に発疹などが生じることがあります。

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