Archive for the ‘Q&A’ Category

乳児湿疹(アトピー性皮膚炎)と食物アレルギーについて

2024-03-25

乳児では、アトピー性皮膚炎に食物アレルギーが合併していることが多く(文献的には50~70%)、食物アレルギーが原因となる乳児アトピー性皮膚炎があります。ただし、すべての乳児アトピー性皮膚炎の原因が食物アレルギーではなく、元来アトピー性皮膚炎の子はアレルゲン(アレルギーの原因となる物質)に反応しやすい体質をもっていることが多いと言われています。

 アトピー性皮膚炎と食物アレルギーの発症の関係についての考え方は近年大きく変わっています。以前は、赤ちゃんがお母さんのお腹の中にいる間に胎盤を通じてお母さんの食べたものが影響したり、母乳中に微量に含まれる食物タンパク質に反応して、さらに湿疹が増悪したり、本人が食べたときに湿疹やアレルギー症状が引き起こされると考えられていました。そのため妊娠中や授乳中のお母さんの食事制限なども指導されてきましたが、現在では、お母さんの食事制限でアトピー性皮膚炎の発症を予防することはできないと言われています。

アトピーの素因をもつ子どもは、生まれつき皮膚のバリア機能の障害(乾燥したり湿疹ができやすい)があり、生後数ヶ月の特に皮膚が弱い時期に皮膚のバリアの破綻がおきると、お料理などをして空気中に飛んでいるあるいは手や衣服についている微量な食物(卵、ミルク、小麦など)抗原(アレルギーの原因物質)が皮膚から侵入してアレルギー反応ができあがる言われています。

また最近、乳児期に湿疹が2か月以上続いた子供が花粉症になる割合は、他の子供に比べ約1.5倍になると報告されました。生まれつき皮膚の弱い(皮膚がカサカサしているような)赤ちゃんに早期から皮膚のバリア機能の破綻をきたさないようにスキンケアを指導し、保湿剤をしっかり使用することで、食物アレルギーやアトピー性皮膚炎の発症を予防できたとの報告もあります。

皮膚炎(乾燥や湿疹)の治療を行うことは、皮膚からのアレルギー物質の侵入を防ぐことになり、さまざまなアレルギーの治療・予防としてたいへん重要であると思われます。

当院では、アトピー性皮膚炎のみならず、乾燥や湿疹のある場合、適切なスキンケアー(洗い方、保湿剤、外用剤の使用方法)の指導をパンフレットを使用して行っています。乾燥や湿疹が気になる時は気軽にご相談ください。

 

汗の役割とアトピー性皮膚炎について

2024-03-25

汗の役割

  • 保湿;皮膚の水分量を保ち、うるおいを与える
  • 免疫;汗に含まれる物質が、細菌などから皮膚を守る
  • 体温調節;体の熱を発散させ、体温を下げる

汗とアトピー性皮膚炎

今まで汗をかくことがアトピー性皮膚炎を悪化させる原因の一つと考えられてきました。しかし最近では、汗をかく量が少ないことがアトピー性皮膚炎を悪化させる原因の一つになり得ると言われています。実際アトピー性皮膚炎の患者さんは、汗の量が少なく、汗が出るまでに時間がかかる特徴が認められます。汗をかく機能が低下しているため、汗本来の役割が十分に発揮されないことが症状の悪化につながると考えられます。すなわち、汗をかく習慣をつけることで、汗がもっている体に良い働き(保湿、免疫、体温調節)により、アトピー性皮膚炎が悪化しにくい皮膚になります。

汗をかいた後の対策

汗をたくさんかいたあと、そのまま放置しておくとアトピー性皮膚炎の症状が悪化することがあります。汗をかいたら、おしぼりなどで汗を拭きとったりシャワーや流水で汗を洗い流し、衣服を着替えることが重要です。汗を洗い流した後は、保湿剤でスキンケアをしましょう。保湿剤を塗ることで皮膚の保水機能(汗によって与えられたうるおい)を高める効果があります。

日常生活で汗をかくための工夫

  • 入浴をする皮膚のバリア機能を回復するための適切な温度は36℃から40℃と言われています。入浴なら38℃から40℃までがよいと思われます。せっけんを使うときは、よく泡立てて、手でやさしく洗い、そのあと十分に洗い流しましょう。
  • かるい運動からはじめるいきなり激しい運動をするのではなく、軽い運動でゆっくりと汗をかくことからはじめてみましょう。
  • 日常生活を見直す通園、通学などをできるだけ徒歩にする。エアコンを過度な温度設定にしない。28℃設定にして少し汗をかく程度にする。

溶連菌と診断を受けた方へ

2024-03-25

1.症状の経過・治療について

Q:診断後はどのような経過をたどりますか?

A:抗生剤が良く効くことが多く、1-2日で症状が軽快します。処方された抗生物質を最後まできちんと指示どおりに飲むことが大切です。症状が消えたからといって、自己判断で薬の飲み方を変えたり、薬をやめたりしないようにしましょう。内服を途中でやめると、ぶりかえすことがあります。また、内服を続けていても、症状が続いていたり、再出現した場合は受診をしてください。

2.予防について

Q:うつると聞きましたが、どのようなことに気を付ければいいですか?

A:溶連菌感染症はうつる病気です。予防のためにはうがい、手洗いをしましょう。感染予防のため、タオル、コップ、お箸等は同じものを使わないようにしましょう。家族内に溶連菌の保菌者がいる場合は、家族内でうつしあい、感染を繰り返す場合があります。家族にのどの痛み、発熱など(お父さん、お母さん、年齢の高いお子さんの場合は発熱がなかったり、のどの痛みも軽い場合があります)の症状がある時は、家族全員で受診し治療を受けましょう

 

3.登園・登校について

Q:いつから登園、登校できますか?

A:保育所、学校は、抗生剤を2日間飲んで、発熱、発疹、のどの痛みが良くなれば登校可能です

アレルギーが心配な方へ ― 離乳食のすすめ方

2024-03-25

アレルギーが心配なので、離乳食を遅らせたり、摂取を控えたりすることは、かえって食物アレルギーを引き起こす可能性があります。最近の研究では、少量から徐々に摂取することでアレルギーを予防できる可能性があることが証明されています。むやみに制限することはさけましょう。

家族に食物アレルギーの人がいて離乳食を進めるのが怖いなど不安のある人は、

”アレルギーに配慮した離乳食の進め方についての記事をクリックしてください。

心配な方は、お気軽にクリニックにご相談下さい。

子どもとメディアの問題について

2024-03-25

日本小児科医会の「子どもとメディア」対策委員会から、子どもに
関係するすべての人々に、現代の子どもとメディアの問題が提起されました。以下に内容を抜粋します。

「わが国でテレビ放送が開始されてから50 年が経過しました。メディアの各種機器とシ
ステムは、急速な勢いで発達し普及しています。今や国民の6割がパソコンや携帯電話
を使い、わが国も本格的なネット社会に突入しました。今後、デジタル技術の進歩はこ
のネット社会をますます複雑化し、人類はこの中で生活を営む時代に進みつつあります。
これからもメディアは発達し多様化して、そのメディアとの長時間に及ぶ接触はいまだ
かつて人類が経験したことのないものとなり、心身の発達過程にある子どもへの影響が
懸念されています。」

対策として以下の具体的な提言がされています。

1. 2 歳までのテレビ・ビデオ視聴は控えましょう。
2. 授乳中、食事中のテレビ・ビデオの視聴は止めましょう。
3. すべてのメディアへ接触する総時間を制限することが重要です。1 日2 時間までを
目安と考えます。テレビゲームは1日30 分までを目安と考えます。
4. 子ども部屋にはテレビ、ビデオ、パーソナルコンピューターを置かないようにしま
しょう。
5. 保護者と子どもでメディアを上手に利用するルールをつくりましょう。

ポスターも3枚作成されてますのでご覧ください。

ポスター1 ポスター2 ポスター3

やけどやけがをした時の湿潤療法について

2024-03-22

やけどや切り傷、すり傷をした時に、消毒薬で消毒しガーゼを張ったりしてませんか?

消毒薬は、傷のタンパク質と反応して細菌を殺す効果がなくなる一方で、傷を治す細胞を死滅させてしまい、傷の治りを遅くしてしまいます。また、ガーゼで保護すると傷が乾燥してしまい、傷を治そうとする細胞は乾燥により容易に死滅し、傷の治りを著しく遅らせることがわかっています。

湿潤療法とは?

湿潤療法(しつじゅんりょうほう)は、創傷(特にすりきず)、やけど、褥瘡(床ずれ)などの皮膚潰瘍に対し、「消毒をしない」「乾かさない」「水道水でよく洗う」を3原則として行う治療法です。モイストヒーリング、閉鎖療法、潤い療法(うるおい療法)とも呼ばれています。軽度の擦り傷においては、もともと皮膚にいる細菌に対する耐性が高く、壊死組織や異物(土砂や小石)が傷になければ消毒しなくても化膿することはほとんど無いと考えられています。

湿潤した環境の方が傷の治りがよいことは欧米においては1960年代後半から知られており、湿潤環境を保ち傷を治すという概念はすでに存在していました。しかし全世界的に普及はしておらず、日本国内でも消毒してガーゼをあてる治療法が主流でした。しかし、ようやく2001年ごろから形成外科医のある有名な先生が、積極的に湿潤療法を行い、急速に普及が図られています。当院でも、擦り傷や火傷の患者さんに湿潤療法を行い、傷がきれいに治り有効な治療法であると考えています。

家庭でできる簡易的な湿潤療法

家庭での治療は、軽度のすり傷、切り傷に限って用いられるべきであり、化膿した場合、破傷風予防の観点から、野外での創傷(軽度の擦過傷を除く)、特に木枝や錆びた釘、鉄条網などによる怪我、動物にかまれた傷(狂犬病)などは、家庭では治療を行わずに病院を受診してください。

1)すり傷の場合、大量の水道水、あるいは清潔な水で傷口の汚れを完全に洗い落とします。この時、決して消毒をしてはいけません。土や砂などの異物がある場合は、これをきれいに取り除いてください。うまく取れないときは病院を受診して下さい。また出血があれば圧迫して止血を行ってください。止血が困難な場合などは、家庭で治療を行うべきではありません。

2)傷をきれいに水で洗った後は、家庭用の食品ラップなどを傷より大きめに切り、傷に当てる(保湿効果のある白色ワセリンをラップに塗り患部に当てるとなお良い)。

3)貼ったラップを包帯、医療用紙テープなどにより固定する。

4)ラップは1日に一回。夏などは1日に数回取り替える。この際、流水などで創傷周囲の周囲を洗うこと。薬局などで売っている湿潤療法用絆創膏(キズパワーパッドなど)であっても特に問題はありません。ただしコストは高いです。

5)傷の周囲の皮膚は、特に夏場にかぶれなどにより痒みが強くなりますが、かゆみどめ等の薬剤の使用は控え、ラップ療法を中止し、医師の診察を受けてください。

6)傷がピンク色になり新たな皮膚ができ、痛みがなくなれば治癒完了です。

7)傷が治った部分の皮膚はしみになりやすいため、少なくとも一ヶ月は紫外線に注意してください(衣服により物理的に日光を遮断するなど)。

次のような場合は、直ちに家庭療法を中止し、病院を受診してください。

  • 傷の周囲に不自然な発赤、腫れ、むくみなどが見られる場合。
  • 痛みが改善しない場合。膿や血液、浸出液が出続ける場合。
  • 発熱、悪寒がある場合。

もっと詳しいことを知りたい場合は、リンクの新しい創傷治療を参考にしてください。

 

BCG接種後に多い問い合わせ

2024-03-11

BCG接種後、接種したところが赤くなり針の跡が白くブツブツしてきた。

接種後、2.3日で赤くなったり、針の跡が白ブツブツしてきたらコッホ現象が考えられます。

受診して、必要であればツベルクリン反応(腕に皮内注射をし、48時間後に判定します。)

週末などで、病院を受診できない時は、接種部位をスマホで毎日撮影して受診時に経過をみせていただくと対応に参考になります。

 

BCG接種後、左脇の下にしこりがある。

BCG接種後、1~2か月後に脇の下のリンパ節の腫大が認められることがあります。大きいものでも2㎝程度までで次第に縮小し自然に治癒します。この程度のリンパ節の腫脹はBCG接種後の正常反応と考えられる範囲内のものです。まれに瘻孔を形成したり、化膿したり、3㎝を超えるほど大きくなれば治療が必要なので受診して下さい。

頭を打ったとき

2024-03-11

①    泣いているかどうか確認

②    泣いているなら抱っこをしてあやす。本人もびっくりしているので抱っこしてあやしてあげて下さい。抱いてもずっと機嫌が悪いままという時は病院受診して下さい。

③    異常がないか確認。頭皮に傷がないか? 手足は動くか? 意識はしっかりしているか? しばらくしてからでも吐く、ぐったりしているなど様子が変だったら病院受診して下さい。

④    脳の中に出血があると、すぐには症状がなくても徐々に進行することもあります。嘔吐や機嫌不良などの症状が出てこないかチェックしましょう。

⑤    こんな時はすぐに病院へ

意識がなく、ぐったりしている。

手足を動かすと痛がる。

何回も吐く。

目がボーっとしている。

嘔吐 下痢をしたとき

2024-03-11

嘔吐した時は吐物が気管につまらせないようにすぐに顔を横にむけましょう。

下痢をした時はおしりがただれやすくなります。ぬるま湯でコットンを湿らせて押さえるようにこまめに拭いてあげてください。

*水分の取り方

1度にたくさん飲ませてはいけません。たくさん飲むと吐いてかえって状態が悪くなることがあります。

吐き気止めの座薬を使った場合は座薬を入れてから1時間以上様子をみて吐くのがおさまってから経口補水液(アクアライト、OS1)を与える。与える時は 1口5mlを5分おきに根気強く。吐くようなら15分~30分後に5mlを飲ませてみる。2回目もだめなら30分後にもう1回挑戦してみる。

母乳(ミルク)栄養児の場合は少しずつ何度も与えてください。その場合、無理に経口補水液に変更する必要はありません。

*下痢のときの食べ物

(乳児)下痢のひどいとき

母乳、ミルク、下痢治療乳(ラクトレス、ボンラクト)、野菜スープ、味噌汁のうわずみ、

りんごのすりおろし汁、

下痢が良くなってきたら

豆腐、パンがゆ、おかゆ、ベビーせんべい、ウエハース、にんじん、かぼちゃの煮つぶし、煮込みうどん、白身魚の煮つけなど

 

(幼児)*水のような便のとき

アクアライト、野菜スープ、味噌汁、重湯、りんごのすりおろし、

*ドロドロの便のとき

豆腐、パン粥、ベビーせんべい、ウエハース、バナナの裏ごし、にんじん、かぼちゃの煮つぶし

*やわらかい便のとき

お粥、うどん、白身魚の煮つけ、卵、とりのささ身、野菜の煮つけ

*冷たいもの、油っこいものは避けましょう。

 #こんな時は病院受診を

・泣いても涙が出ない。

・目が落ちくぼんでいる。

・皮膚、口、舌が乾燥している。

・呼吸が速く眠りがち、あるいは機嫌が悪い。

・1日に6回以上の大量の水様便が出る。

・緑色の嘔吐がある。

・皮膚が冷たく白っぽい、顔色が悪くぐったりしている。

・血便がある。白っぽい便が出る。

・嘔吐が続いて飲んでもすぐに吐いてしまう。

・乳幼児で39.0℃以上の熱がある。

・特に生後4か月未満は38.0℃以上あるとき。

子供のストレスをみつけよう

2014-01-12

子どものストレスをみつける
母親が見つける「子どものストレスサイン」チェック・リスト

子どもだって小学生高学年、中学生になるとストレスがたまってうつっぽくなることがあります。ほっておくと不登校、無気力症、引きこもり、チックなどさまざまな症状に発展していく恐れがあります。早い段階でお母さんが気づいてあげましょう。淀屋橋心理療法センターのホームページから抜粋した次のチェック・リストをやってみてください。

1.朝起こしてもなかなか起きず、遅刻することが増えた。

2.机の上や部屋にものが散らばっている。

3.呼ばれても返事をしなくなった。

4.自分の部屋にこもりがちになっている。

5.母親に対して言葉づかいが乱暴になってきた。

6.弟や妹をわけもなくよくいじめる。

7.ノートの字が乱雑に、または小さくなってきた。

8.夜中に突然叫んだり、飛び起きたりする。

9.一人で寝るのを嫌がったり、赤ちゃん言葉を使うなど、甘えることが多い。

10.忘れ物がおおくなった。

11.ちょっと注意すると、カッとして口答えする。

12.親が話しかけると、避けるようになった。

13.自分だけ食事をずらしてとるようになった。

14.子どもの方から学校や友人のことを話さなくなった。

15.食事の好き嫌いがはげしくなってきた。

16.昼間遊びに行かず、テレビの前でゴロゴロしている。

17.「私(僕)がわるいんだ」と、何でも自分を責める。

18.親に言われないと、自分から何もしなくなった。

19.洗顔や歯磨き、着替えをおっくうがる。

20.そわそわと落ち着きがなくなった。

21.おねしょをときどきするようになった。

22.ツメをかんだり、鉛筆をかんだりしていることが多い。

23.一人で留守番するのをいやがりだす。

24.言いたいことがはっきりと言えない。

25.学校のテスト用紙を親に見せず、破って捨てたりする。

26.持ち物を乱暴に扱うのが目立つ。

27.TVゲームなど、高価なものを買ってくれとねだる。

28.顔をクシャとさせたり、目をパチパチさせたりする。

29.最近よく嘘をつく(ないことを言う)ようになった。

30.話しをするときつまったりどもったりする。

ストレス判定基準

上記のチェックリスト30項目のうち

12項目未満;ちょっとストレスがありますが問題はありません。

12-18未満;かなりストレスがあり注意が必要です。

18-24未満;かなりのストレスです。

学校に連絡をし相談(カウンセラー)する必要があります。

24以上;専門家に相談してください。

赤ちゃんが股関節脱臼にならないように注意しましょう

2014-01-11

1970年以前は出生数の約1~2%の赤ちゃんに股関節脱臼がみられていましたが、予防活動が普及したために、発生率は約0.1~0.5%に減少しました。しかし、最近全国的に発生率が増加傾向にあり、歩行開始後に診断される例が多くなってきていると言われています。

今、大丈夫でもこれから脱臼することがあります。

 “こんな場合は要注意!”

1. 女の子

2. 逆子(骨盤位)で生まれた

3. 寒い時期(11月から3月)に生まれた

4. 家族に股関節の悪い人がある

5. 向き癖がある(いつも顔が同じ方ばかり向いている場合は、向いている側の反対の脚がしばしば立て膝姿勢になってしまい、これが股関節の脱臼を誘発することがあります。)

*1~5が複数あてはまる場合はとくに注意が必要です。

“歩き始めるまで、次の点に注意しましょう”

1. 仰向けに寝ている時は、両膝と股関節を曲げて、足がM字型に開脚した状態を保ち自由に脚を動かせる環境を作りましょう。両脚を外から締めつけて脚がのばされるような、きついオムツや洋服は避けましょう。

2. 抱っこは、正面抱き「コアラ抱っこ」をしましょう 両膝と股関節がM字型に曲がって使える「正面抱き用の抱っこひも」の使用は問題ありませんが、横抱きのスリングは開脚の姿勢が取れず、また、伸ばされる危険もあるため、注意が必要です。

3.  向き癖がある場合は、反対側の脚が立て膝姿勢にならないように、向き癖の反対側から話しかけたり、向き癖側の頭から体までバスタオルやマットをいれて少し持ち上げて斜めになるような姿勢にしてあげるといいでしょう。

 

胃腸風邪の時の嘔吐物の処理について

2013-12-19

胃腸風邪で、お子さんが嘔吐した時の消毒方法についてです。
処理をする時は、使い捨て手袋(胃腸風邪がうつるので素手で行うことは避ける)を着けて、
嘔吐物を消毒液に浸したトイレットペーパーや使わなくなったタオルで覆い、5~10分放置する。
ビニール袋に捨て、仕上げにも消毒液に浸したトイレットペーパーで拭きあげる。

ビニール袋は、口を結んで、捨てる。

  消毒液の作り方

500mlのペットボトルで作ります。

塩素系 (ハイターやキッチンハイター) キャップ 1杯 + 水 500ml

この消毒液は、嘔吐物が付いた洋服等の消毒にも使えます。

 

※嘔吐時の処置時、アルコール類は、効果ありません。

※金属類には、使用出来ません。

※作り置きは、出来ません。その都度作ってください。

鼻のかみ方  練習しましょう

2013-07-02

鼻水を貯めたままにしていると鼻腔内の細菌が繁殖して、副鼻腔炎や中耳炎をひきおこす原因となることがあります。鼻はすすらず、できるだけ出しましょう。

 

2,3歳になったら鼻のかみ方を練習しましょう。

正しい鼻のかみ方

*  片方の鼻を押さえて片方ずつかむl  しっかり口から息を吸う

* ゆっくり少しずつかむ

*   最後まで強くかみすぎない

 

☆鼻がつまってかめない時は、鼻の付け根を蒸しタオルで温めると鼻の通りがよくなります

間違った鼻のかみ方

*   両方の鼻を一度にかむ

鼻汁が鼻の奥に追い込まれ副鼻腔炎になることがあります。

*   力まかせにかむ

鼻血が出たり耳が痛くなることがあります。

*   鼻をほる

粘膜を傷つけて鼻血が出たり、細菌感染の原因になったりします。

 

鼻のかみ方の教え方

*   ろうそくを消すように口でフーと吐くことを教えます。空気が出ることを覚えたら口を閉じてフーっと

します。

*   テーブルの上に小さくちぎったティッシュを数個置きます。

大きく息を吸って口を閉じます。片鼻を押さえ、押さえていない鼻の鼻息でティッシュを飛ばします。

*   小さく丸めたティッシュを片鼻に軽く入れて反対の鼻を押さえて飛ばします。親子で競争してみましょ

う。

メデイアが子供に与える影響について

2013-04-27

テレビ、ビデオ、ゲーム、パソコン、携帯電話などのメデイアがコミュニケーション能力や睡眠障害に及ぼす影響について、ある学会で報告がありました。

メデイアとの接触時間が長い(平日ゲームが1時間以上、テレビが2時間以上)子供は、コミニュケーション能力に問題があるというデータが示されました。また、そういった子供は、睡眠の障害や気分の障害(切れやすい)、疲れやすいといったことも多いようです。メデイアとの過剰な接触が子供の健全な成長に問題をきたす可能性があり注意が必要です。

そこで、「子供とメデイア」への提言として以下のことが重要であると報告されています。

  •  食事中だけでもテレビを消す
  •  テレビやビデオのついていない静かな時間を意識してとる
  •   翌日も休日だと夜更かししがちだが、30分だけでも早寝する
  •  乳幼児を育てている親は、テレビ、ビデオの時間を2時間以内に減らすべき
  • テレビ、ビデオ、ゲーム、PC、携帯電話などそれそれのメデイアについて、時間や内容など具体的にどうしたらよいか。子供を交えて家族でしっかり話し合う

発熱時のホームケア

2013-03-01

発熱時、次のことを目安に、過ごしやすい環境をつくってください。

  • 手足が冷たい時……体は火照っているが手足が冷たい時は、体温の上がり始めです。寒がるため、布団を一枚多くかけたり、靴下を履かせたりして体を温めましょう。

 

  • 手足が熱い時……体だけでなく手足も熱い場合は、体温が上がりきっている時です。熱がこもらないよう薄着にしましょう。

 

  • 汗をかいている時……汗をかき始めたら、熱を下げようとしているサインです。衣類を着替えさせ、シーツを取り替えましょう。

鼻水、鼻づまり

2013-01-16

鼻に、花粉やほこりなどが入ったときに、これらの異物を外に流しだそうとして鼻水が出ます。ウイルスや、細菌などの病原菌が鼻の粘膜に感染すると、膿の混じったドロッとした鼻水になります。(青鼻) 小さい子供さんは、鼻が自分でかめず、鼻の通り道が細いので、ちょっとしたことで鼻がつまりやすく、いつまでもグスグスしてなかなか治りません。鼻がつまると母乳やミルクが飲みにくい、寝苦しい、機嫌がわるいなどの症状がみられます。鼻づまりを一気に解決する方法はありませんが、以下の方法が有効と思われます。

1)蒸しタオルで鼻を温める
蒸しタオルで鼻を温めると、鼻の周囲の血管が拡張して、鼻のとおりがよくなります。ただし、窒息しないように気をつけてください。

2)鼻の付け根のマッサージ
鼻の付け根(大人だとめがねの当たる場所)を指でもみもみすると、鼻の周囲の血管が拡張して、鼻のとおりがよくなります。ただし、眼を強く押さないように。

3)鼻汁吸引器、生理食塩水噴霧
子供用の鼻汁吸引器(当院で200円で販売)で、まめに吸ってあげてください。お風呂上りなど、鼻水が出やすいときに行うのが有効です。鼻水がつまっていて吸えない時は、生理食塩水(薬局で売ってます)を鼻の穴に噴霧して、その後に鼻汁吸引器で吸うと効果が上がります。

4)内服治療
鼻がかめずいつまでも青鼻が続いて、夕方になると熱が出る場合、鼻に細菌がついていることがあり、その場合は抗生剤を処方することがあります。また、耳が痛いなどの症状がなくても中耳炎を併発していることもあります。発熱もなく、青鼻のみ続き、夜間も鼻づまり、咳のため眠れない場合、漢方薬が有効なことがあります。

 

やけどをした時

2012-07-14

#ストーブ、アイロンに触った。

・水道の流水で5分以上冷やし(痛みがなくなるまで)患部の温度を下げます。

#お湯やスープをかぶった。

・皮膚に直接触れていない上着はゆっくり脱がす

・熱湯はあちこち飛びやすいのでやけどした場所を確かめる。

・下着や靴下、おむつなど直接皮膚に触れているものは無理に脱がさず、服の上から全身にシャワーで水を5分以上かけて冷やします。

*病院に行く目安 

・広い範囲の火傷(大人の手の平片手分より広い時)

・水泡ができた火傷(水泡ができていても範囲が小さければ翌日でもOK)

水泡は破れると病原菌が入りやすいのでつぶさず、そのまま受診して下さい。

・手や指の場合はくっついたりすることがあるので酷い時は受診して下さい。

・鼻や口の周りは熱いものを吸い込んで内部が外見以上に酷くなっていることもあるので受診を。

・性器の場合は尿が出なくなることもあります。

けがをした時(傷、打撲、鼻出血)

2012-07-14

傷(擦り傷、切り傷)

①    傷口が砂や泥で汚れている時は水道水で流す。

②    出血がひどい場合は清潔なガーゼやタオルなどで圧迫して止血する。

③    キズパワーパッドなどの特別な絆創膏などでキズを密閉して治す。

*医療機関を受診した方がよいキズ

・砂や土、ガラスなどが入り、水で洗い流しただけでは取れないキズ。

・壁にぶつかったり、転んだりした時の傷口がシャープでない深いキズ。外科的な処置が必要です。

#打撲(たんこぶ)

濡れタオルなどで冷やして下さい。嫌がる時は無理に冷やさなくてもいいです。2.3日で小さくなってきます。

#鼻血

少し前かがみにして鼻のやわらかい部分(鼻骨のすぐ下)を両側からつまむ。

*10分たっても鼻血が止まらない場合は受診して下さい。

*ティッシュなどを詰めるとそれを取り除く時に再出血することがあります。

*首の後ろをたたいても鼻血を止める効果はありません。濡れたタオルなどをあてて冷やした方が良いです。

熱性けいれん(ひきつけ)をおこしたら

2012-07-14

 熱性けいれんは急に高熱が出た時に起こります。ほとんどは5分以内に自然に治まります。

命にかかわる病気ではありませんので落ち着いて子供の様子を見ましょう。

①    平らな場所に静かに寝かせ、吐いた物がのどに詰まらないように顔を横にする。

②    衣服の首回りを緩める。

③    けいれんが5分以上続く場合は救急車を呼ぶ。

けいれんが止まっていても意識がはっきりしない、視線が合わない、様子がおかしい時は急いで医師の診察を受けて下さい。

 *熱の上がり始めにガタガタ震えるのは悪寒です。

熱が出たとき

2012-07-14

発熱は病気の原因(ウイルスや細菌)と有利に闘うための防衛反応です。体温が上がるとウイルスや細菌は活動しにくくなります。ウイルスや細菌と闘うために、脳が指令を出して体温を上げているのです。子供は体温の調節機能が未熟な為、時には40.0℃を超えることもあります。

*急いで受診すべきか迷ったときは・・・

目安は生後3か月を過ぎていて機嫌がよければ熱が出ても急ぐ必要はありません。「機嫌が良ければ」とは「食べる(飲む)、寝る、遊ぶ」がだいたい普段通りできていればということです。「生後3か月未満の発熱は特に注意を!」生まれて3か月の間は特に「抵抗力が弱い=防衛反応が弱い=症状が出にくい」ので病気の始まりには発熱以外の症状がなく機嫌が良いことがあります。慎重を期して、急いで受診することが勧められます。必ずしも、重い病気ではないのでむやみに心配する必要はありません。

*発熱時の対応と座薬の使用方法

高熱が続くと頭がおかしくなるのでは?と思って熱を下げようとする人がいますが、その心配はありません。40.0℃程度の高熱でも脳はダメージを受けません。発熱は防衛反応なので薬で抑えるとかえって治りが遅くなるおそれがあり、病気が治って下がったのか薬で抑えたのか区別ができなくなります。解熱剤を使わなくても病気は治りますので、高熱でも元気があり、走り回っている時は解熱剤を使わず様子を見ましょう。熱が出て辛そうな時は解熱剤で一時的に熱を下げると、少し楽になって水分や睡眠が取れることがあります。解熱剤の効果は一時的なものなので、効果が切れるとまた体温が上がってきますが病状が悪化しているのではないので心配しないで下さい。

#1回2/3本の時は座薬のとんがっている方から2/3の所をはさみで切って使って下さい。残りは捨てて下さい。

#使用する間隔は6~8時間あけて下さい。

*冷却の仕方

室温は暑すぎず、寒すぎず適温にしましょう。首の後ろから手を入れて、汗ばんでいたら暑すぎです。手足を触ってみて冷たくなっていたら寒すぎと考えて温度調節をして下さい。(エアコンの目安温度 夏は28度、冬は20度)

#熱の上がり始めは手足が冷たく寒気がありぶるぶると震えることがあります。                                                                                   その場合は、冷やさずに衣服を着せたり、布団をかけるなどしてあたためましょう

#熱が上がり切ると手足があたたくなります                                                                                  そうなったら寒気もなくなりますので薄着にする                                                                                      暑がる場合は布団は掛けなくてもよい 本人が気持ちよさそうなら氷枕を使って頭を冷やし、着替えはいつもよりこまめにし、ぬるま湯で身体を拭いてあげましょう

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