B型肝炎ワクチンを受けましょう
B型肝炎は、HBV(B型肝炎ウイルス)の感染によって引き起こされる病気です。
血液や性行為を介して感染するものだから、自分は大丈夫と思っていないでしょうか?
日本では、B型肝炎ウイルスの感染者は130-150 万人(約100人に1人)と推定されています。最近年間1万人が急性肝炎になっています。急性肝炎で重症になって死亡することもありますし、慢性肝炎、肝臓がんなどで死に至ることもあります。
子どもが感染すると、キャリア(ウイルス が体内にすみついた状態)になりやすく、そのときは無症状でも、将来慢性肝炎や肝硬変や肝臓がんなどを引き起こします。特に1歳未満で感染すると50%がキャリアになるとされています。
最近、日本にはなかったタイプのB型肝炎(遺伝子型A)が海外から持ち込まれ、日本で拡がっています。このタイプの肝炎は、肝炎自体の症状は軽いのですが、従来日本で主流だったタイプ(遺伝子型C、 B)に比べるとキャリアになりやすく、本人が知らないうちに周囲の人に感染させてしまう可能性が大きくなります。今後、感染の機会がふえていくことが予想されています。
現在は日本では、キャリアのお母さんからの感染を防ぐための母子感染予防策として、ワクチンとガンマグロブリンの投与が行われています。しかし、近年、母子以外の家族内感染、感染経路不明で乳幼児がB型肝炎ウイルスに感染する例などが報告され、母からの感染は65%で、のこりは母以外からの感染とされています。血液だけでなく、涙や汗、唾液からもウイルスが感染することが証明され、小さい子どもたちが集団生活をする保育園、幼稚園で感染する可能性があります。
WHO(世界保健機関)は、1992年、生まれたらすぐにこのワクチンを国の定期接種として接種するように指示しており、現在世界中の赤ちゃんの75%がB型肝炎ワクチンを接種しています。
日本は、予防接種対策が遅れており、現時点ではワクチン接種は自費ですが、B型肝炎は、一度感染してしまうと、決め手になる治療法がない病気ですので、乳幼児のうちにワクチン接種を受けましょう。保育園、幼稚園に通っている(これから通う子も含め)小さい子どもたちには特に積極的にお勧めします。