<原因>
気管支炎や肺炎などの呼吸器感染症をひきおこすウイルスの一種です。1-3歳の幼児の間で流行することが多いですが、大人にも感染します。乳幼児や高齢者では重症化することもあり、注意が必要です。1年中発症が確認されていますが、3-6月にかけては、とくに感染者が数が増加する傾向にあります。
< 症状>
風邪の症状に似ていますが、咳、鼻水は1週間程度、熱も多くの場合、4-5日程度続きます。症状が悪化すると、ゼイゼイ(ヒューヒュー)という呼吸(喘息様気管支炎、細気管支炎)がみられ、呼吸困難となることがあります。
<治療>
特別な治療法はなく、基本は各症状を楽にするための対症療法を行います。咳や鼻水のお薬や解熱剤を処方することがあります。また、同時に細菌にも感染してしまうことも少なくありません。熱が4日以上続く場合は、細菌にも感染している可能性があり、その場合は抗生剤を処方します。熱が長引く場合は、中耳炎や細菌による肺炎などを起こしている可能性があるので、早めに受診してください。
<家での注意>
ヒトメタニューモウイルスは、咳やくしゃみで吐き出されたウイルスがついたり(飛沫感染)、気がつかないうちにウイルスに触れてしまったり(接触感染)することで感染します。保育園、幼稚園、小学校などで集団感染する可能性があり、家に帰ってきたら、手洗い、うがいを徹底しましょう。家庭内でも、ウイルス感染が広がらないように、マスクを借用する、タオルや食器を別々にするなど感染対策をしましょう。
<検査>
ヒトメタニューモウイルスの迅速診断キットは、鼻咽頭を細い綿棒でぬぐった後、5-15分程度で診断できます。