水いぼ

2013-01-30

7月になると学校や幼稚園・保育園でプールが始まります。しかし、この時期に毎年流行するのが「水いぼ」です。自然に免疫ができて治る病気ですが、学校や園の方針で、「水いぼがある子はプールに入れない」というところに通っているお子さんの場合は、治療が必要です。

<原因、症状>

水いぼは、伝染性軟属腫ウィルスによって接触感染する皮膚疾患です。中に白い芯のある柔らかい粟粒大のいぼがワキの下、おしり、顔、腕、手足などに現れます。水いぼ自体は通常かゆみを伴わないのですが、肌の弱い子はかゆみのある発疹を併発する場合があります。特に肌の弱い子やアトピー性皮膚炎の子は、出たり治ったりを繰り返すことがあります。

<感染>

水いぼは感染力が強く、一緒に遊んでいる時やお風呂やプールなどで肌が擦れ合ったりすると、破れたいぼからウィルスが飛び散って他の人に感染すると言われていますが、確たる根拠はありません。恐らく、水いぼになりやすい子は、皮膚のバリアー機能が弱いのではないかと言われています(ちなみに大人で水いぼはほとんどみかけませんね)水いぼができても、ウィルスに対する抗体が1年くらいで作られると言われており、通常は放っておいても自然に治るものですが、確実とは言えません。自然に治ると信じて放っておいたら、完治するのに数年かかったとか、全身に広がって大変な思いをしたというケースも稀にあります。

<治療>

いぼの数が増え続けてなかなか治らない場合や、症状が悪化しやすいアトピー性皮膚炎のお子さんの場合には、皮膚科でピンセットでつまんで取ったり、液体窒素でいぼを凍結して取るのことがありますが、この治療法はいぼがある程度大きくなるまで待たなければならない上に、ひとつずつ摘除するのにかなりの痛みを我慢しなければなりません。尚、痛みを和らげるテープを使う方法もありますが、子どもにはテープの薬の副作用があり勧められません。水いぼは、漢方薬を内服して体の中から治すという方法もあります。五苓散とヨクイニンという漢方薬を1,2か月内服することで、体の免疫力を高めます。民間療法ではハトムギ茶を飲むと効果的だと言われていますが、これはハトムギにはヨクイニンという免疫効果を促進する成分が含まれているからです。
当院では、痛みを伴わない治療として、漢方治療を勧めています。

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