<原因>
春から夏にかけて、毎年りんご病が流行します。りんご病は、ヒトパルボウイルスB19というウィルス性の感染症です。頬がりんごのように赤くなる特徴から、その名前が付けられました。
<症状>
初めは咳、鼻水、微熱が出るなど風邪と似たような症状から始まりますが、1週間くらい経つと、両方の頬に発疹が出て赤くなり、しだいに手足へ広がってレース状のまだらな発疹が出ます。発疹はかゆみがあり、潜伏期間は4~12日で、飛沫感染します。
まれに脳炎、脳症、心筋炎といった合併症を起こすことがあります。
<治療>
ウィルス性の感染症に効く薬はありませんので、基本的には症状を和らげる対症療法を続けながら自然治癒を待ちます。熱が出ることもほとんどなく、発疹は通常5~7日ほどで消滅します。発疹のかゆみを抑える抗ヒスタミン剤や、関節痛を和らげる鎮痛剤を処方します。お風呂で長く温まると、かゆみが強くなることがありますので、入浴は短時間で済ませましょう。また運動したり、日光に当たっても、同様にかゆみが強く出てしまいますので、発疹が引くまでは室内でおとなしく過ごすようにしましょう。
<感染>
感染力があるのは、風邪症状が出ている間(つまり、頬が赤くなる前)なので、りんご病の診断が付く頃にはすでに感染期を過ぎています。子どもが元気なようなら、登園・登校しても構いません(登園・登校許可証の必要がない病気のひとつです)。
妊婦さんが感染すると、流産や死産のリスクが高くなりますので、妊娠中に家族が感染したことがわかったら、産婦人科を受診することをお勧めします。しかし、この病気は有効な予防接種もなく、症状が現れる頃にはすでに感染期を過ぎてしまっているので、予防するのは難しいのが現状です
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