ロタウイルスによる胃腸炎

2012-05-27

毎年、11月から4月までの冬に流行(ピークは1月から3月頃)します。生後6ヶ月から2歳までが好発年齢です。白色便性下痢症とか、仮性コレラとも呼ばれます。潜伏期間は約2日です。

原因

ロタウイルスによって起こる胃腸炎で、患者さんの便の中に出てきたロタウイルスが、手やタオルなどを介して、口の中に入って感染します。ロタウイルスにより汚染された水や食物を飲食したり、おもちゃをしゃぶったりしても感染します。

症状

水のようにサラサラした白っぽい下痢が約1週間ぐらい続きます。病初期には激しい嘔吐を伴うのが普通です。咳や鼻水・熱を伴うこともあります。

治療

特効薬はありません。必要に応じて、吐き気止めや整腸剤・おしりかぶれに対する軟膏などを使用します。脱水症状(顔色が悪い、元気がない)があれば点滴が必要になります。

家での注意

 
【病初期の嘔吐を伴う時期】 数時間はのませたり食べさせたりはしない方がよいでしょう。しかし、ぐったりしてくるようであれば受診が必要です。2~6時間たって吐き気がおさまってくれば、湯ざましや麦茶などをごく少量(5~30ml)から始め、徐々に量を増やしていきましょう。
【嘔吐がおさまって下痢だけの時期】 水分だけでなく、電解質(とくに塩分)とカロリーの補給も大切になってきます。電解質はおみそ汁や野菜スープの上ずみで、カロリーは温かいお粥やうどん・パンなどを少しずつあげましょう。市販のイオン飲料は電解質濃度が低く、糖分が高いので適切ではありません。 母乳がでれば、この時期は母乳だけでもかまいません。 おしりをこまめに洗って、おむつかぶれを予防してあげましょう。

予防法はよく手を洗うことです。自分のトイレのあと、子どものトイレを手伝った後、おむつを替えた後、調理・配膳・食事の前には、よく手を洗いましょう。手を洗った後、同じタオルを何回も使うことは、好ましくありません。

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